今回はニッカの新作・「セッション」
宮城峡・余市というニッカの誇るジャパニーズシングルモルトに、ベンネヴィスをはじめ、スコッチウイスキーをブレンドした、日蘇合作のブレンデッドモルト(グレーンウイスキーは使われていない、100%モルトウイスキーのみのブレンド)である
↓https://www.nikka.com/products/malt/session/より抜粋
ブレンダーがイメージしたのは、音楽。
凄腕のアーティストたちによるセッション。
類まれな才能と技術を持つ演奏家たちが、それぞれ持ち味を発揮しながら
肩の力を抜いて遊ぶように、心地よいサウンドを展開する。
そんなウイスキーは、できないだろうか。
ブレンダーは試みを重ね、
スコットランドのモルトと日本のモルトの組み合わせにヒントを見出した。
ハイランドで育まれた、フルーティーでかろやかなベン・ネヴィスや、
華やかな香りを咲かせるスコティッシュモルトの数々。
そして、ふくよかな宮城峡モルトと、力強い余市モルト。
個性豊かなモルトたちが出会い、圧巻のパフォーマンスが始まった。
イントロは、明るく華やかに弾むフルーティーな香り。
つづいて、熟成を重ねてクリーミーななめらかさを身につけたスコティッシュモルトが
バニラのような香りを漂わせながら、甘いメロディーを繰り広げる。
ベースに流れるのは、おだやかな宮城峡モルト。
ゆるやかにうねるリズムで、個性的なスコティッシュの音色をまとめあげる。
エンディングは、ややビターに。
ヘビーピートの余市モルトが、わずかに緊張感漂う余韻となって、静かにつづく。
複雑で重層的なのに、思わず微笑んでしまうようなおいしさ。
これが、ニッカウヰスキーのセッション。
ブレンダーの想いがつくった新しい音楽が、飲む人を心地よく引き込んでいく。
さてさて、どんなもんでしょうか・・・
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バニラアイスをかけたバタークッキーに
合成樹脂とココナッツミルクと青リンゴ
あまじょっぱい醤油ダレをかけたおせんべいにホイップクリーム
87・5点
なるほど、確かに宮城峡・余市・ベンネヴィスの良い部分を感じることができる。
ホイップクリームやバニラ、バタークッキーのような甘みに、微かな花のような香りがふわっと乗っかっているのがベンネヴィス、
さらにはあまじょっぱいおせんべいっぽさを醸し出す余市のスモーキー感、青リンゴっぽいフルーティさの宮城峡、
そこら辺が良い具合に渾然一体となっており、それほど深い余韻はないにせよ、素直にうまい形のマリアージュだなあ、と思わせる。正直、結構好きである。
ただ、そこまでネガティヴ要素としてあげつらうものではないかもだが、合成樹脂または絵の具や溶剤、みたいなちょっと人工的な風味がうっすらとあるのが、ちょっと安っぽい印象にもつながっているような気も・・・
3800円という値段に見合うのか、というのが難しいところだが・・・個人的には同程度の金を出すなら、私はキーモルトにもなっているベンネヴィスを単体で買うか迷うなあ・・・(サントリーの碧と比べたら断然こっちだし、竹鶴のノンエイジよりもセッションの方が上だと感じるけど)
蘭子