宮城峡のテイスティング&レヴュー・ニッカの代表作の一つ、比較的手に入り易いノンエイジもの。和のシチュエーションが似合う癒し系モルト!

今回はニッカウィスキーから宮城峡のノンエイジものを

歴史を辿ってみると、ジャパニーズウイスキー の父でありニッカウイスキーの創業者・竹鶴政孝が、北海道余市に蒸溜所を建てたのが1934年。
そして、スコットランドの北ハイランドタイプのウイスキーが施行された余市(寒冷な気候や海辺の港町であることなどが実際多くの北ハイランド産シングルモルトが作られる風土的な条件と共通している)とは異なる個性のウイスキーづくりのために、ニッカの第2蒸溜所として1969年に竣工されたのが仙台市郊外・山形県境の宮城峡蒸溜所である
ピーティで力強い、スコッチの北ハイランドやアイランズ系にも近い骨太な余市に対して、内陸の自然に恵まれ、広瀬川と新川の合流する豊かな清流をたたえるこの地においては、穏やかで繊細なローランドタイプのウイスキー造りが志向された。
↑宮城峡蒸溜所
https://www.nippon.com/ja/guide-to-japan/gu900117/より
宮城峡蒸溜所の操業20周年を記念して「シングルモルト仙台宮城峡」が誕生したのは1989年のこと、
さらに2003年にはシングルモルト宮城峡10年、12年、15年の3種が発売開始された
その後の国際的な品評会における宮城峡や余市の受賞歴は大変華々しい。
・・・が、現在は原酒不足のため、普通に手に入るのはノンエイジもの(年数表記ものが販売中止になり、現行ラベルの宮城峡ノンエイジが発売されたのは2015年から)だけとなってしまっているorz
さーて、どんなもんでしょうか・・・・
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焦がし醤油をかけた青リンゴ

バニラアイスと木箱の中のカンロ飴
焼き鳥ダレの煙の染み付いた老舗で働き出した若者
87点
青リンゴ的なフルーティさやバニラの甘味が分かりやすく表に出ており、それを樽由来のビターさが締める。なるほどスコッチの内陸系シングルモルトの正統派を踏襲しているな、という感じだが、それだけでは終わっていない。
うっすらとピート感があり、それが焦がし醤油や焼き鳥タレのような不思議なコクをもたらしていて(うっすらベンロマック やアードモアなどにも共通する内陸系のソフトなピートづかいのコク、という感じ)それが宮城峡ならではの個性を演出していて面白い。
これは確かにバーやパブ、というより居酒屋や焼き鳥屋、または小料理屋のような日本的な風景に似合う、じんわり優しい甘みが染みるウイスキーだ。
ノンエイジということで確かにそれほど余韻が深いわけではないし、若さからくるアルコール感かすかに感じる、が、これはこれで結構美味しいと思ってしまう。
値段はもうちょっと抑えてもいいかな(2000円台くらいならかなりあり)、と思うけど・・・
蘭子

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