スプリングバンク10年のテイスティング・キャンベルタウンの雄。モルトの香水と謳われた伝説的傑作

今回ご紹介するのは、キャンべルタウンのスプリングバンク蒸留所の

「スプリングバンク10年」

https://www.rakuten.ne.jp/gold/enokisyouten/wiskey/scotch/campbeltown/より

かつては30以上もの蒸留所があり、ニッカの創業者、竹鶴政孝も修行で滞在したことでも知られるキャンベルタウン。

米国における禁酒法の時代、密輸で粗悪な商品を大量に販売していたこともあり、その悪評判から衰退。1920年には20ヵ所、10年後の1930年には3ヵ所、そして、1934年には、とうとう2ヵ所だけになってしまった。

現在は、古くからの生き残りであるスプリングバンクとグレンスコシア、また80年ぶりにスプリングバンクが再開したグレンガイルの3ヶ所のみが稼働している。

スプリングバンクは創業1828年。

創業以来、伝統的なフロアモルティング(※1)によって製麦している数少ない蒸留所である。また、製麦からボトリングまでの全工程を蒸留所の敷地内で100%行っている唯一の蒸留所でもある。

2回半の蒸留で作られるウィスキーは「モルトの香水」と呼ばれるほどの奥深さ

また、キャンベルタウンモルトの味の特徴は海風の影響からか、ブリニ―(塩っぽい)と言われる。

※1 2日間水に浸した大麦を床に広げ、4時間毎に攪拌し、麦の発芽によって発生する熱を均等にする。かなりの重労働らしいが、窓は開け放たれているので、この過程で周囲の自然環境からの様々な影響も麦に混ざる。

https://www.whisky.com/whisky-database/distilleries/details/springbank.htmlより

さて、その味わいは・・・

海水で煮込まれた

すりおろし梨とドライマンダリンオレンジ

焚き火で燻された麦畑に降る

パイナップルジュースの雨

91点
潮辛いのにフルーツとハニーの濃縮感、という、
スコッチならではの複雑なパラドックスを素晴らしい完成度で体現している一本
10年熟成ということで侮るなかれ
環境のマジックと、手間暇と匠の丹精が加われば、こんなにも芳醇な一品ができあがる

改めてウィスキーの不思議がつまっている名作だと思う

通常価格5000円代だが、レアなのでプレミア価格がついて8000円くらいになっていることもある・・・
しかしスコッチにはまり始めた人にはぜひとも飲んでみていただきたい作品のひとつである
蘭子
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