今回は、以前ご紹介したベンロマック 10年の5歳年上のお兄さん、
ベンロマック 15年をテイスティング&レビュー
10年に引き続き、2020年のボトルデザイン変更前のもの
さて、その香りとお味は・・・
焚き火の炭にまぶした黒糖
焦がし醤油をかけたパイナップル
濃厚みたらしのタレで煮込んだオレンジピール
91点
10年の正当進化バージョンである。
ミディアムピート(アイラで言うとボウモアくらいのピート感だが、ヨード(海藻っぽさや潮気)感はない)が醸し出す、ベンロマック 特有のかすかに焦げた薪や木炭ストーブのような、焦げ感のあるウッディな香ばしさは、10年ものより陰影深く、コク深い。
奥に隠れたフルーティな甘味もより豊か、じんわりジュワ〜と湧き出てくる。パイナップルのようなトロピカルフルーツ、またはオレンジピールのビター、そんなのが混じった秀逸なビター&スイート。
筋トレに例えると、よりウエイトトレーニングを重ねて、バルクが増しましたね、という印象。
しかしこれ、気をつけて欲しいのがロット違い
ベンロマック15年、2016年に瓶詰めされたものと、2018年に瓶詰めされたもの、2つ持っている(前者は譲ってもらったもの)のだが、比較してみるとクォリティが全然違う。はっきりいって、2016年のものはマズイ。2018年のものと比べると、全体的にフレーバーがやせ細っており、さらにはボールペンのインクでも舐めたかのような変なえぐみもある。
また筋トレで例えると、2016年ロットは筋肉のつき方がバランス悪くて不格好って感じ。例えば二の腕が太いのに大胸筋がスカスカ、みたいな笑
今回レヴュー対象にした2018年ロットはそこらへんかなり改善されており、とても良いバランス。10年ものの倍の値段、と言う、なかなかな値段設定(しかし少量生産であることも含め、充分その価値はある)以外はおすすめできる。
2020年以降、ベンロマック もボトルデザイン変更に伴って内容も微妙に変化しているが、まだオリジナルデザインの頃のベンロマック10年と15年も手に入らなくはない。ウイスキー通になりたいならば避けては通れぬ独創的かつハイクォリティな銘柄なので、ぜひとも飲んでみて欲しい。
蘭子