またもアランです。
今回ご紹介の「アラン・シェリーカスク」は
ファーストフィルのシェリーホグスヘッド(※)で7年以上熟成された原酒をカスクストレングスでボトリングしたもの
アラン10年、アラン18年とともにリニューアルされたアランのラインナップの一つとして人気の高い一本
※容量約220~250リットルの樽。バレル(180~200ℓ)より大きくバット(500ℓ)よりは小さい。バーボンやシェリー酒の熟成に使ったバレルを解体して作る。なおホグスヘッドとは「豚の頭」の意味。ウイスキーを詰めた重さがおよそ豚一頭分になることから。
さて、その香りと味わいは・・・
焦げたカラメル
ドライプルーンと煮詰めたアプリコットジャム
ガソリンをかけたレーズンと皮付きオレンジ
辛みを表現
87点
まずは焦げたカラメルがじんわりと絡みつく
そして皮付きオレンジ、ドライプルーンやドライレーズン、超濃厚に煮詰めたアプリコットジャム。
なるほどこいつはあれだ
グレンファークラス105、アベラワー・アブーナ、または最近出たタムデューのバッチストレングス(近いうちレビュー予定)、などと肩を並べる、
「とにかくガツンと濃厚シェリーなカスクストレングス」なやつ、だ
安い場合5000円台で買えてしまうコスパの良さもファークラス105(こちらは3000円台で出ていることすらある)などに近い。
が、原酒の若さから来る辛さと荒さまで共通点。
「辛さと荒さ」も「パワフルさ」とでも言い換えも出来なくはない。決してそれも悪いほどのものではないのだけれど、それでアラン本来の多層的で豊かなフルーティさもちょっと損なわれてしまっている気がするのは残念
ボリュームはあるけど単色で荒く押し切る強引さもあり、個人的には飲み疲れるときがある。
しかし「とにかくガツンと濃厚シェリーなカスクストレングス、さらにコスパも良し」なやつをお求めの方なら買って損はないだろう。
蘭子