ラフロイグ・PX カスクのテイスティング&レヴュー・3段回熟成のラフロイグはなかなかに強烈!

 

 

 

免税店向けに売られているラフロイグPXカスク
1stフィルのバーボン樽で5~7年熟成された原酒を、
さらにクォーターカスク(バレルの4分の1サイズ。樽に触れる部分大きく熟成が早く進む)にて数ヶ月。
またさらにペドロヒメネス(※)カスクにで1年ほど
という3段構成の樽熟成が施されたモノ

 

 

※白ブドウのペドロ・ヒメネス種のブドウから造られる甘口のシェリー酒。醸造の際にはペドロ・ヒメネス種のブドウを天日に干して甘みを凝縮させたものが使われる

 

 

 

 

 

さて、その香りとお味は・・・

 

 

 

 

 

塗料と接着剤の塗られたベニヤ板
鰹節まみれのラズベリー
鉛筆とマジックペンで落書きされた古い木机

 

80点

これは、個人的にはなかなかに評価の難しい一本だった・・・

ペドロヒメネスのフレーバーとラフロイグ独特の灰っぽい岩っぽいピートフレーバーのミクスチャーから来るのか、建造途中の家に入り込んで嗅いだ塗料や溶剤や接着剤、または油絵具のような香りが。
そんな人工的な化学薬品や塗料っぽい強烈な香味に加え、口に含んでよく味わってみると、さらに鰹節とラズベリーを混ぜたような、これまた奇妙な味の絡み合いが
鉛筆とかで落書きされた古い木机とか、マジックペンのインクのようなものもいる

だが、何度か味わっているうちに、芯に響いているベリー系の甘味の主張に好ましいものを感じることもあり、この作品に高評価を与えている人(ネット上でちらほら見かけたし、結構好きという友人もいた)の気持ちもわかるようになってはきた。

私にとっては体調や気分によっては最悪な酒ともなりうるウイスキー。なかなか強烈であることは確か。好みは分かれると思う。もちろんクセものに違いないが、定番ラフロイグ10年の方が安心できる。
しかし1リットル売りとはいえ、この味で7000〜8000円しちゃうのは高いな

シェリー系の甘味や樽香とアイラ的なピートのミクスチャーで言えば、味的な部分でもキルホーマンのいくつかの作品にもちょっと通じる部分があったけど、個人的にはキルホーマン(これとか、サナイグとか)の方がもうちょっと上品にうまくやっているような気がした

 

 

蘭子

 

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