オスロスク10年(花と動物シリーズ)のテイスティング&レヴュー・ハチミツとバターとフルーツ。タルトとケーキのパーティ

今回も『UD社 花と動物シリーズ』より

オスロスク(ゲール語で「赤い流れをわたる浅瀬」)の10年を

花と動物シリーズとは、現在は世界最大の蒸留所オーナーであるディアジオ社に合併されたUD(ユナイテッドディスティラーズ)社がリリースしている、ラベルに花や動物が描かれたシリーズ。

 

オスロスクは、スペイサイドのシングルモルトの1つで、1974年創設と比較的新しい蒸留所である。綴りはAuchroisk。ゲール語で外国人には発音がしにくいということもあり、かつては「ザ・シングルトン」という名前をつけて、オスロスク蒸留所のシングルモルトは販売されていたらしい。

オスロスク蒸留所開設の主な目的は、大手のブレンデッドウイスキーだるJ&Bの原酒の安定確保のためだったが、78年に最初のシングルモルトを生産(86年に「ザ・シングルトン」と改名されたが、97年にオーナー会社の吸収合併がおこったためそのブランドは無くなった)

 

数々の品評会での受賞歴があり(1990年初頭には、インターナショナルワイン&スピリッツアワード1992年と1995年の金賞受賞)国際的に評価の高い銘柄となっていった。

01年に「オスロスク」に名称が戻り生産再開され、「花と動物シリーズ10年」として改めて発表されることとなった。

 

ちなみにオスロスクのラベルには、仕込み水であるドリーの泉(花崗岩と砂岩の間から滲み出る良質な軟水で、蒸溜所建設の決め手となったらしい)へ向かうツバメの姿が。

 

 

かつてから比べるとラインナップは縮小されている(代わりに、当初は蒸溜所オフィシャルがなかったものが、蒸溜所オフィシャルをちゃんと出し始めたり)が、オフィシャルではリリースされていない蒸留所のシングルモルトを楽しめるシリーズである
ちなみに、現在のラインナップは以下(北ハイランドのティーニニックや南ハイランドのブレアアソール以外は殆どがスペイサイドのもの)

・グレンロッシー(GLENLOSSIE)10年
・オスロスク(AUCHROISK)10年
・グレンスペイ(GLENSPEY)12年
・マノックモア(MANNOCHMORE)12年
・ストラスミル(STRATHMILL)12年
・リンクウッド(LINKWOOD)12年
・インチガワー(INCHGOWER)14年
・ベンリネス(BENRINNES)15年
・ダルユーイン(DAILUAINE)16年
・ブレアアソール(BLAIR ATHOL)12年
・ティーニニック(TEANINICH)10年

↓スペイサイドの主な蒸溜所(オスロスク探してみて)

オスロスクは1974年創業、と他蒸溜所と比べて新しい部類に入るが、数々の品評会での受賞歴(1990年初頭には、インターナショナルワイン&スピリッツアワード1992年と1995年の金賞受賞)のある、国際的に評価の高い銘柄

ブレンデッドウィスキーのJ&Bのキーモルトの一つでもある

さてさて、その香りと味はいかがなものだろうか・・・

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シロップ漬けの桃と塩バタークッキー
ハチミツがけホットケーキ
カスタードクリームを塗った洋梨
甘露煮のレーズン

89点

かすかに塩気のあるバタークッキーやカスタードクリーム感に洋梨やレーズンのような酸味も豊か。しかも10年熟成とは思えないほどにちゃんと濃厚。
フルーツタルトやクッキーやケーキなどが出されるパーティに呼ばれたような幸せなひと時を演出してくれる。

同じ花と動物シリーズのリンクウッドインチガワー

などに比べると、複雑さやキャラクターの強さには欠けるような気もするが、まったりとしたお菓子のような甘さとフルーティさのあるスペイサイドらしい安心安定の万人うけ佳酒・美酒であることに間違いない。

やはり「花と動物シリーズ」はクォリティ高いですね。

蘭子

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