![トバモリー10年のテイスティング&レヴュー・アイランズモルトの隠れた傑作!マル島のユニークな海藻風味ウィスキー!](https://spirits.tokyo/wp-content/uploads/2020/07/582A5F35-51EF-431F-ABDF-1E056AEB8C34-scaled.jpeg)
![](https://spirits.tokyo/wp-content/uploads/2020/07/582A5F35-51EF-431F-ABDF-1E056AEB8C34-scaled.jpeg)
などと並べて語られることの多いアイランズモルトの一つ、
マル島のトバモリー(ゲール語で「メアリーの井戸」の意味)蒸溜所のウィスキーである。
![](https://spirits.tokyo/wp-content/uploads/2018/11/480px-Scotch_regions.svg-e1486046835972.png)
青いのがアイランズ系一覧
![](https://spirits.tokyo/wp-content/uploads/2020/07/644EECDF-AD35-4422-B83A-4B6268FADD04.png)
スコットランドの西海岸。マル(Mull)島、探してみて(スカイ島とジュラ島の中間あたり)。
https://www.pinterest.jp/pin/309904018096905725/より
![](https://spirits.tokyo/wp-content/uploads/2020/07/377BB53F-929B-4552-83A5-B41AF9F87593.jpeg)
マル島↑
https://www.visitscotland.com/destinations-maps/isle-mull/より
創業は1978年。
島産の昆布をグラスゴーやリバプールに運ぶ海運業で財をなしたジョン・シンクレアという人物による。
ビール醸造所として建てられ、その後間もなく蒸溜所に変えられた。
スコットランドで最も古い蒸溜所のひとつであるが、休止期間が長年に及び再開の見込みが断たれた時期も何度もあったそうだ(マル島で作られたのチーズがここに保管された事もあったらしい)
財政的苦境の結果、粗悪なカスクが使われ、味の一貫性を失ってしまったことがトバモリーの評判を落とした。それが休止せざるを得ない状況に陥ってしまった一因であると言われている。
トバモリーという銘柄はかつてはジュラ島やスカイ島のモルトとブレンドされたブレンデッドウィスキーしか作られていなかったそうだ。
しかし1993年にバーン・スチュワート社が買収して改めて操業再開されて以降は生まれ変わり、シングルモルトに重点が置かれるようになっていったそうだ。
そう考えると本格的な創業は1993年とも言える。
ということは同じ1993年に本格的な創業が開始されたアランとも同級生ということか
ちなみに現在トバモリー蒸溜所がオフィシャルで出しているシングルモルトは
今回ご紹介するピートを焚かない「トバモリー」と
ピートをしっかりと焚きこんだスモーキーな「レダイグ」
の2本柱である。
さて、ノンピートの方の「トバモリー10年」
そのお味はいかがかなものだろう・・・
トバモリー蒸溜所
https://www.whiskyadvocate.com/tobermory-distillery-will-close-for-two-years/より↓
![](https://spirits.tokyo/wp-content/uploads/2020/07/A10B4D23-298C-4F02-9648-F9A9D94276A0.png)
古い漬物樽の中の昆布と白菜
潮水に漬けたオレンジピール
燻した麦とオリーブオイル
ドライアップルにハーブソルト
89点
![](https://spirits.tokyo/wp-content/uploads/2020/07/7F4A9316-247A-4AA5-8803-40E6043D2AD0.jpeg)
島モノで、テイストも海っぽさを感じるモルトだが、
タリスカーやハイランドパークともまた違う、トバモリーならではの強い個性がはっきりとある。
漬物樽のような塩気のあるドライなウッディさと、
白菜っぽい風味
そして独特の海藻風味
かなりユニークで面白くて、クセになる。
個人的には大好きで、アイラ系やタリスカーやハイランドパークなどと同じくらいもっと知られてもいいと思うが
これらの海を感じる島モルトが好きなら、ハマることうけあい
スコッチの多様性とそれぞれのキャラクターの強さには改めて驚くばかりである
蘭子