イチローズモルト・MWRのテイスティング・オリエンタルなミズナラの樽香と柔らかなピートの魔術

今回ご紹介するイチローズモルトのMWR(ミズナラウッドリザーブ)は

イチローズモルトの「リーフシリーズ」のひとつ

以前ご紹介した同じくイチローズモルトの

「ダブルディスティラリーズ」(イチローズモルト及び秩父蒸留所についてもこちらに)の姉妹作である。

2010年、ワールドウイスキーアワード(WWA)で、熟成年数無しのカテゴリーにおいて「ベストジャパニーズ・ブレンデッドモルト」選ばれている。

羽生蒸留所モルトをキーモルトに、複数の蒸留所のモルトをヴァッティング(ブレンディング)、さらにそれをミズナラ樽(「ダブルディスティラリーズ」同様のラベルのデザインは、「ミズナラ」の木の「葉」をイメージしている)で再熟成させたもの。複数の蒸留所の名前は非公開だが、ピートの強いタイプを選定し、秩父蒸留所でブレンドしているそうだ

さて、樽材として使用されているミズナラは日本では、秩父蒸留所の肥土伊知郎氏が使用している北海道のものをはじめ、本州・四国・九州など各地に分布している。

この樽由来の成分が、白檀や伽羅のお香とも例えられる、オリエンタルな香りをもたらすのである。

ミズナラの森

さて、その味わいは・・・↑

梨とリンゴとレーズンとホワイトチョコレート
それらをハチミツで煮詰める
そして白檀のお線香に燻された根菜類を添える
すりつぶしたショウガをまぶす
92点
微かなピート香をともないつつの、ミズナラ由来の仏間のお香のような香り
イチローズモルトならではの、ジンジャー感のある個性的なブレンディング
じゅわっと濃厚な甘み
重層的で魔術的な色彩感を持ったジャパニーズ新世代を代表する傑作のひとつだと断言できる。
レアもので、3倍以上のプレミア価格がつけられてしまっているのが難点だ・・・
1万円以下で見つけたらちょっと無理してでも買った方がいいだろう。
蘭子
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