クライヌリッシュ14年のテイスティング・華やかで甘くスパイシー、そして蜜蝋のようにワクシー。北ハイランドの複雑で魅惑的なウイスキー

スコットランドはハイランド地方の北端に向かって伸びる海岸沿い、

インヴァネス(イギリス最大の湖として有名なネス湖がある、ハイランド地方最大の都市)とウィック(港湾都市であり、北海におけるニシン漁の基地でもある)の間、

北海を臨む村ブローラに、クライヌリッシュ蒸留所はある

(町を流れるブローラ川は、サーモンフィッシングでも有名)

ハイランドの主な蒸溜所↓

↓クライヌリッシュ蒸留所

https://www.tripadvisor.at/Attraction_Review-g1096489-d191325-Reviews-Clynelish_Distillery-Brora_Scottish_Highlands_Scotland.html より

創設は1819年だが、1967年に生産を拡大し、新しい設備を備えた蒸留所を隣に建設。これが現在のクライヌリッシュ蒸留所である(古い方はブローラと改名され1983年に閉鎖。ここで作られたピートを効かせたウィスキー今やかなりのレアものである)

ブローラ(旧クライヌリッシュ)↓

ちなみに、クライヌリッシュとはゲール語で「金色の湿地」とのこと

今回ご紹介する「クライヌリッシュ14年」は、ハイランド地方の豊かな自然に由来する芳醇で穏やかな甘さと北海の海の香りの混ざり合った名品として非常に名高いものだ

さて、そのあじわいはいかに・・・

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ヘザーの花の香水と蜜蝋
白い木の柱から滲み出るスパイス
シナモンがけ洋ナシと白桃の濃縮液
91点
蜜蝋のような、とか、ハイランドとアイランドの個性の合わせ技、などとよく言われるが
たしかに、蒸留の際の沈殿物に由来すると思われるオイリーなコク(蜜蝋のよう、ワクシーともよく言われる)と豊かな蜜の味、
かすかな潮気、樽から染み出した苦味や辛味、まるで香水やソープのようなヘザーの花の香り
そういった複雑な要素が多面的に絡み合う
噂にたがわぬ複雑な香味を持つ、際立った銘酒だと思う

個性的といっても、なわかりやすいクセの強さ、というよりも
実に繊細で複雑、通好みと呼ばれるのもわかる気がする。
スコッチにはまったなら避けて通れぬ、エレガントな存在感のある一本である
蘭子
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