などとこれまでにいくつか取り上げてきた、スペイサイドのシェリー系ウイスキーの名門グレンファークラス
今回はその17年もののご紹介。オフィシャルラインナップの中でも現オーナー、ジョン・グラント氏が最も気に入っているのがこの17年なのだそう
さて、その香りとお味は・・・
皮付きドライアップルとドライレーズンの紅茶煮込み
桃とブルーベリーのホイップクリーム和え
熟成紅茶葉の甘露煮
89・5点
グレンファークラス的なシェリー樽熟成ならではのフルボディな旨味はやはり素晴らしい。
ドライフルーツの盛り合わせ。皮ごとなので旨味も甘味も渋味も一挙に濃縮されて混ぜ合わされている感じ。
紅茶葉のタンニンのようなものも感じる。
15年ものや12年ものと路線は同じだが、もちろん12年モノ(個人的には微妙)よりもすべてのフレーバーの奥行きは豊か。
15年ものと比べると、度数(15年は46度、17年は43度)も相まって、15年の方がガツンと濃厚なアタック感がある。濃く煮出したダージリンティーやアッサムティーのような、またはハイカカオダークチョコのような深みのあるビターがあって結構ヘヴィ。
一方で17年ものには、15年ものにはないまろやかさや軽やかさがある。ドライフルーツの濃い甘味をホイップクリームが包み、タンニンの横で甘露飴が溶ける。
15年と17年は性格は違うが同じ趣味に凝る姉妹のようだ。どちらもピアノの弾き語りをします、といっても15年はブルージィなロックやエモいR&B、17年はジャジーでまったりした軽さがある。
シェリー系ウイスキー入門にグレンファークラスの12年や 105などを挙げる人がいるが、あんまり賛成できない。前者は薄く、後者はいささか荒く大味。代わりにエレガントで濃厚さもあるドロナックの12年とかファークラス15年や今回の17年を挙げた方が良いと思う。
質は高いけど気軽さもある、17年という長熟ながら運が良ければ6000〜7000円台で買えてしまうコスパも素晴らしい。そんな一本
蘭子