グレンドロナック12年・ハイランドを代表するシェリー樽熟成の老舗。黒イチゴの谷の重厚美酒

 

グレンドロナック(ゲール語で「黒イチゴの谷」)は、東ハイランドのヒースに覆われた丘陵に囲まれた、ほのぼのした風景の中にたたずむ老舗(1826年創業)蒸留所

グレンドロナックはシェリー樽熟成と石炭直火で知られた蒸溜所。一部フロアモルティングも行われ、クラフトマンシップに貫かれた伝統製法を頑なに守る姿勢がリスペクトされていた。
2005年に石炭直火からスチーム加熱に切り替わったが、シェリー樽へのこだわりは今も続いており、シングルモルト用はほとんどがシェリー樽で作られている。

ウィリアム・ティーチャーズ&サンズ社に買収された1960年からはブレンデッドのティーチャーズのモルト原酒も作るようになる。

主にティーチャーズのブレンド用にピーテッド麦芽も用いられているが、時にシングルモルト用にもそれは使われる。グレンドロナックのピートは、ピートの乾燥の終わりの方で焚かれるそうな。ヨード香を抑え、よりアーシー(土っぽい)なものにするためだという

さて、今回はドロナック入門編の12年ものをいってみよう

さて、その味わいは・・・・

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ミルクチョコと濃い目のアッサムティー
生姜の混ざったカシスとラズベリーのジャム
アンティーク家具の裂け目から生えた野イチゴ
銅の鍋で煮詰めたハチミツ

89点

シェリー樽由来のドライフルーツ感(蒸溜所の名前の通り、ちょっとイチゴっぽい風味も)と、それをじっくりと煮詰めたような重厚感と深い甘味。深いウッディさと紅茶葉のような香ばしい渋みに、微かなピートがかすかな硫黄っぽさを加味してもいる(12年はピートを焚いてはいないが、使っている仕込み水にピートが染み込んでいる)
グレンファークラスなどと並ぶ、どっしり重厚なシェリー樽熟成ウイスキーにこだわる老舗ブランドの傑作でしょう。シェリー樽の魅力って?という人はファークラスとともにぜひ試してみてほしい銘柄。
ドロナックは18年、21年と熟成年数が増すに従い、超濃厚になっていくが、既に12年で完成度は高く、オススメ(ファークラスとかはむしろ15年からがいいと思うけど)。

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