ブッシュミルズ12年のテイスティング&レヴュー・アイルランド✖️イタリア。マルサラワイン樽にて後熟された新定番は、軽快さと深みある果実感の好バランス!

ブッシュミルズ12年は前回ご紹介のブッシュミルズ10年の姉妹品

長らくブッシュミルズの定番としてあった

ブレンデッドのブッシュミルズ、ブッシュミルズブラック(アイルランド国内限定のレッドブッシュもある)
そしてシングルモルトのブッシュミルズ10年、16年、21年

だが、そこに2019年に新たに加わった新定番だ。

この一本、オロロソシェリー樽とバーボン樽で熟成させたブッシュミルズ10年を、さらにイタリアのシチリア島で生産される酒精強化ワインであるマルサラワインの樽で2年後熟させたものである

マルサラワインはデザートのティラミスに使われるワインとしても有名だが、一説ではスペインのシェリー、ポルトガルのポートワインとマデイラワインの3大酒精強化ワイン(ワインにアルコール(酒精)を加えてアルコール度数を高めたワインのこと。気温が高く、温度管理が難しい地域で腐らないようにするために工夫されたワイン。3大は、いずれもウイスキー熟成樽として使い回しされる定番でもある)にマルサラワインを含めて4大酒精強化ワイン、などと言われることもあるよう。

さてさて、香りとお味の方は、いかがなものだろうか・・・

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べっこう飴に閉じ込めたさくらんぼ
カラメルソースで和えたセロリ
ホイップクリームを混ぜたミントティー
メープルシロップをかけたプラムの皮

90点

10年と比べると、やはり明らかに甘みと果実感が増している。

カラメルや濃厚なメープルシロップの奥から、さくらんぼやプラムを彷彿とさせるフルーティな渋みと酸味が湧き出してくる。

表面的なアタックの濃厚さや強い甘みだけではなく、マルサラワイン樽由来の(果実の皮のような)渋みを伴いつつの余韻の深みも10年より増しており、重厚感が出ている

とはいえあくまでも、アイリッシュならではの、またはブッシュミルズならではのさらりとした優しさやミントティーや緑の野菜のような爽やかな軽快さも忘れていない。

豊かな深みと爽やかな軽み、どちらも兼ね備えた傑作である。ぜひ10年ものと飲み比べてみて欲しい。

蘭子

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