今回は、2019年に発売され、話題となったサントリーのワールドブレンデッドウイスキー・「碧(Ao)」を
アイリッシュ、スコッチ、アメリカン、カナデアン、ジャパニーズ。 歴史や風土も異なる、個性豊かな「世界5大ウイスキー」を「ブレンド」して新しい個性をつくる。およそ1世紀続くサントリーのウイスキーづくりの歴史の中でも、今までにない新たな挑戦でした。
サントリーのブレンドは、「響」に代表されるような、多彩な原酒の個性をまとめあげる「調和=ハーモニー」を目指しています。 これに対し、「碧Ao」で目指したのは、「調和」をベースとしながらも、世界5大ウイスキーが持つそれぞれの個性を活かし、重ね合わせるという、今までとは違ったアプローチのブレンドでした。
↑https://www.suntory.co.jp/whisky/ao/about/より抜粋
スコットランドは「アードモア蒸溜所」「グレンギリー蒸溜所」
アイルランドは「クーリー蒸溜所」
アメリカはジムビーム社の「クレアモント蒸溜所」
カナダは「アルバータ蒸溜所」
日本の「山崎蒸溜所」「白州蒸溜所」
それぞれの蒸溜所から原酒が選ばれてブレンドされているようだ。
さて、お味はどんなもんだろうか・・・
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オレンジの皮とコーン
カツオ出汁を染み込ませた藁半紙
桃の果汁をふりかけたフェルトペン
しょうゆをかけたスモークベーコン
79点
最初の印象としては、バーボンやライっぽさが出てるなあ、と。何度か飲んでみると、アイリッシュぽい優しいフルーティさも薄絹がかかったようにしてあるのがわかってきた。その後、スコッチのアードモアからくるスモーキーさと、おそらくグレンギリーのちょっとしょっぱい(樽からの影響か、しょうゆや出汁っぽいような味)感じが強く出てくる。
バーボンやスコッチ、アイリッシュの主張はなるほど、あるなあ、と感じられる一方、白州や山崎は・・・個人的にちょっとどう影響しているのかがつかめない部分がある。
しかし、どうあれ基本的にバーボン要素(コーンまたは穀物っぽい甘さ)とスコッチ要素(スモーキーさや塩っ気)が良い感じでマッチしているとは思えず、さらには、奥にどうしても油性マジック(フェルトペン)や藁半紙っぽいとしか感じられないような変な風味(多分ピートがネガティヴに作用しているのと、さらには未熟性な薄っぺらさも相まって)を感じてしまうのがどうも・・・
いろいろな要素(といってもそれぞれが薄っぺらいのだが)が混ざり合うことで独特の多層性を出しているのは面白いけど、うまいかうまくないか、というと、3分の1はうまいとは言えない要素でできている、と言わざるおえない・・・というのが正直なところ。発展途上の実験作としてならアリかなあ、と。
5000円という、なかなかにいいお値段するところもいただけないなあ・・・。
蘭子