今回ご紹介するのは
ケンタッキー州ローレンスバーグにあるワイルドターキー蒸留所から届けられたバーボンウィスキー(※1)
「ワイルドターキー8年」
歴史をたどってみると、1855年設立の蒸溜会社 「オースティン・ニコルズ社」がローレンスバーグに蒸溜所を創設したのがはじまり。
蒸溜所オーナーのトーマス・マッカーシー氏は、七面鳥のハンティングに出かける際、貯蔵庫から1本のバーボンを持参したという。狩り仲間たちはこのバーボンを、野生の七面鳥にちなんで「ワイルドターキー」と呼び始めた。・・・というのがブランド名の由来らしい。
ワイルドターキーの風味の秘密はそのマッシュビル(原料の配合比率に関するレシピ)にある。
コーン51%以上を使用するのがバーボンを名乗るための条件。それ以外の穀物は自由に混ぜ合わせて良いことになっているわけだが、ワイルドターキーは、他のバーボンに比べてライ麦と大麦の比率が高いらしい(詳細なレシピは非公開)
つまりこの酒を語る際に重要なポイントのひとつは 「大麦の個性」と「ライ麦のスパイシーかつドライな風味」の豊富さ。またもうひとつに、穀物の風味を生かすために蒸留と貯蔵の際の温度を低く設定する、というプロセス面でのこだわりである。
この蒸留所にて60年間にわたってマスターディスティラーをつとめるのは、ジミー・ラッセル氏
そして彼の息子エディ・ラッセル氏も30年以上、同蒸留所でバーボンづくりに携わっている。
親子二代によって守られてきた、その味わいはいかなるものだろう・・
※1 発生の地・ケンタッキー州バーボン郡より。原料にコーン51%以上を使い、内側を焦がした(※2)新樽内で2年以上熟成させたウィスキー、がその定義。現在もバーボンウィスキーはケンタッキー州産が9割以上を占めているらしい。
※2木の繊維に含まれるリグニンという物質が原酒に溶出すると、バニラ香を生むバニリンに変化する。 焦がすことでよりリグニンの溶出が促進され、原酒中のバニリンも豊富になる。これが、バーボンにおける、焦がした樽とバニラ香の秘密。
http://justacarryon.com/2018/08/kentucky-bourbon-trail-part-4/より