レダイグ10年のテイスティング&レビュー・トバモリー蒸溜所のヘヴィーピート!アイラモルトにも負けないピーティでオイリーなアイランズモルト!

「レダイグ10年」は以前ご紹介したトバモリー10年のトバモリー蒸溜所が作るヘヴィーピートウイスキー

 

トバモリー蒸溜所は、創業は1978年。
島産の昆布をグラスゴーやリバプールに運ぶ海運業で財をなしたジョン・シンクレアという人物による。
ビール醸造所として建てられたが、その後間もなく蒸溜所に変えられた(戦時中で穀物確保のためにウイスキー蒸留が禁じられていたため。のちに許可が下りるがビール工場時代もウイスキーは密造されていた)。

 

ちなみに醸造所が建てられた場所がレダイグと呼ばれる土地だったため、設立時の名称はトバモリーではなく「レダイグ」と名乗っていた。

青いのがアイランズ一覧

 

スコットランドの西海岸。マル(Mull)島、探してみて(スカイ島とジュラ島の中間あたり)。
https://www.pinterest.jp/pin/309904018096905725/より

 

 

スコットランドで最も古い蒸溜所のひとつだが、休止期間が長年に及び再開の見込みが断たれた時期も何度もあった(マル島で作られたのチーズがここに保管された事もあったらしい)
また財政的苦境の結果、粗悪なカスクが使われ、味の一貫性を失ってしまったことがトバモリーの評判を落とした。それが休止せざるを得ない状況に陥ってしまった一因であると言われている。

 

トバモリーという銘柄はかつてはジュラ島やスカイ島のモルトとブレンドされたブレンデッドウィスキーしか作られていなかったよう。
しかし1993年にバーン・スチュワート社が買収して改めて操業再開されて以降は生まれ変わり、シングルモルトに重点が置かれるようになっていった。

 

ある意味本格的な創業は1993年とも言える。
同じ1993年に本格的な創業が開始されたアランとも同級生

現在トバモリー蒸溜所がオフィシャルで出しているシングルモルトは
ピートを焚かない「トバモリー」
今回ご紹介するピートをしっかりと焚きこんだスモーキーな「レダイグ」
の2本柱

 

レダイグのピートの濃度は35ppmで、これはラフロイグラガヴーリンと同等である。

 

 

 

 

さて、その香りとお味はいかがなものか・・・

 

 

 

 

レモン果汁に落としたタバコの灰
焦げた海藻とシーフード
ハチミツとかすかなソープ

 

89点

 

 

海藻の出汁や漬物っぽい、独特の塩気・潮気は兄弟銘柄トバモリーと同様
レダイグはしかし、アイラモルトにも負けないほどにたっぷりスモーキーかつオイリー
アイランズ系のエントリーモデルでは随一のスモーキー&ピーティさだろう
ブラインドでアイラモルトの一つ、と言っても騙されてしまう人はいるんじゃないだろうか笑

味わってみるとレモンやハチミツの甘酸っぱさもじんわり。そしてかすかにソーピーな芳香が華やかさも醸し出す。
さらにはやはり独特の海藻風味が混じる。

アイランズモルトとしてはタリスカー、アラン、ハイランドパークなどの陰に隠れがちだけど、ピーティなアイラモルト好き、海系の潮っぽさが好きな向きにはかなり満足度の高いハイクォリティな一本。
トバモリー同様、飲んで損はなしだろう。

 

蘭子

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