グレントファーズ15年(バランタインシングルモルト)のテイスティング&レヴュー・バランタイン の甘味のハートを司る、スペイサイドらしいフルーティで華やかな一本!

 

 

 

グレントファーズ蒸溜所は、スコットランドのウイスキー作りのメッカであるスペイサイドはキース地区、トファーズウッドと呼ばれる森のそばにある。

 

 

 

創業は1898年。当時デュワーズ社、ジョン・ウォーカー社と共にウイスキー業界ビッグスリーとも言われたブキャナン社の創業者であるジェームズ・ブキャナンによって、ブキャナン社を成功に導いたブレンデッドウイスキー「ブラック&ホワイト」のための原酒供給のために建てられた。
ちなみに、ジェームズ・ブキャナン自身もスコッチの歴史を築き上げる上で大きな功績があったビッグ5の1人と言われているそう(他にヘイグの創業者のジョン・ヘイグ、ホワイトホースのピーター・マッキー、デュワーズのジョン・デュワー、ジョニーウォーカーのジョン・ウォーカー)

1925年にビッグスリーは合併し、DCL社に、そして蒸溜所自体も大改修される
1965年の建て替えと増設
1980年代のウイスキー不況のために85年には閉鎖されるも、1989年にはアライド・ディスティラリーズが買収して操業再開。その後、05年に現在のペルノ・リカール社に買収される。

そのほとんどがバランタインブラック&ホワイトなどに提供されており、オフィシャルボトルは出ていなかった(ゴードン&マクファイルの蒸溜所ラベルシリーズから出ているものが代わりにオフィシャル的な扱いだった)

 

 

今回ご紹介する「グレントファーズ15年」は、「グレンバーギー15年「ミルトンダフ15年」とともに、バランタインの味わいの中核を成してきたが、これまではシングルモルトとしてはあまり出回っていなかった(ボトラーズ系は除く)ものがオフィシャルシングルモルトシリーズ「バランタインシングルモルト」として改めて発売されたもの

 

ちなみに「バランタイン17年」において
グレンバーギーは中核
ミルトンダフは土台
グレントファースは締め
を担当しているんだそうな

 

 

 

view from the street

https://www.whisky.com/whisky-database/distilleries/details/glentauchers.htmlより

 

 

以下公式より

「ミルトンダフ」の力強いしっかりとした基礎ボディー。「グレンバーギー」のフルーティーでスウィートな香り。そして「グレントファーズ」のベリーやナッツを思わせる滑らかで繊細な後味。この幾重にも重なる味わいによって、スコッチの王道と呼ばれるバランタインらしい個性が形成されます。
「グレントファーズ」はバランタインならではの繊細な後味を決定づけているシングルモルト。ヘザーの花を思わせる繊細な芳香を感じ取ることができ、口の中に広がるソフトベリーのような香味と大麦糖が生み出す甘みが大きな特長です。飲み終えた後には、驚くほど長くうっとりするような甘美な余韻を楽しむことができます。

 

 

 

 

さて、そのお味はいかがなものだろう・・・

 

 

 

 

潮でもんだラズベリーとバニラクリーム
白い花びらを和えた麦芽糖
洋ナシとシロップ漬けのリンゴ

 

89.5点

ラズベリー、リンゴ、洋ナシ、麦芽糖などの甘さと甘酸っぱさに、ちょっぴり潮っぽい感じも絡む。
バランタインシングルモルトシリーズ、3種飲み比べした中では最も素直に、いわゆるスペイサイドモルトらしい「フルーティで華やか」な味わいが楽しめるもので、魅力がストレートに伝わりやすい一品なんではないだろうかと思った。
スルスルーっと素直に飲みやすく、淡い水彩画のように鮮やかで涼やかな果実と花々
でもゴードン&マクファイルから出ている20年超えのやつなんかを飲むと、流石にこれが油絵のような重厚・濃厚な甘味で、おおっ!となるが、こちらのやや淡麗な感じもなかなか

バランタイン17年を改めて味わってみると、アフターテイストだけではなく、その甘味の中核に、ずいぶんわかりやすくこのグレントファーズが
バランタイン17年の複雑で豊かな「甘味」は、グレンバーギーのミルクチョコのような麦芽糖に、このグレントファーズのラズベリーやリンゴのような甘酸っぱさがかけ合わされたものなのだ、と何か謎がとけたかのように感じられた。
バランタイン17年の構成要素の中でも、アフターテイストや締め、と限定してしまうよりは、むしろグレンバーギーとともにその甘味の「中核」を担っていると言っても良いように思えた。

バランタイン17年とともにその中心構成原酒を3種一挙に飲み比べてみたが、大変発見の多いテイスティング企画でした

この15年ものシリーズの中でも一本ちゃんと買ってもっと味わいたいなー、と個人的に思ったのはミルトンダフ

 

 

蘭子

 

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