ドイツのクラフトジン・Monkey47の紹介
今回紹介する「MONKEY 47」は、世界有数の蒸留技術と豊かな自然を擁するブラックフォレスト(ドイツ・シュヴァルツヴァルト)に 2008年に開設された蒸留所で生まれたクラフトジン(※1)
発端はシュヴァルツヴァルトで宿を経営していたイギリス人モンゴメリー・コリンズの遺品から見つかったオリジナルジンのレシピ(余暇に地元の森で取れる原料を使った自分だけのオリジナル・ジンを造るほどのジン好きだった)
彼の遺品には「お猿のマックス、シュヴァルツヴァルト産」と手書きされたボトルも見つかった。”お猿のマックス” とは、彼が第二次大戦直後のベルリン復興計画に携わった際、スポンサーになっていたベルリン動物園のオナガザルの名前。
そのニュースにインスパイアされた関係者たちが、モンゴメリーの残したレシピをもとに新たな最高の味として生み出したのがこの『モンキー47』である。
蒸留所の近くの森から手摘みされた47種類(ジンとしては非常に多い)の素材にこだわって製造されている(47とは使用されているボタニカルの数、そしてアルコール度数のこと)
ジュニパーベリーの他、ローズヒップ、クランベリー、ブラックベリー、エルダーフラワー、スプルス(常緑の針葉樹)など・・・
※1 ジンとは、穀物類を蒸留して作ったアルコール液(スピリッツ)にジュニパーベリー(ヒノキ科の針葉樹・セイヨウネズの実)で風味付けして再蒸留して作ったお酒の事。通常、香り付けにはジュニパーベリー以外のだいたい5~10種類の多種多様なボタニカル(草根木皮類)も使われることになる(※2)世界各国で流行している昨今のクラフトジンは、それぞれご当地ものの珍しいボタニカルを何種類も使って香り付けをし、個性を競い合っていると考えると良い。
※2 よく使われるのは、ジュニパーベリー(必須)、コリアンダー・シード、アンジェリカ・ルートorシード、オリス・ルート、リコリス、カルダモン・シード、レモンピール(★)、オレンジピール、ジンジャー、シナモンなどなど(http://liquorpage.com/gin-botanical-summary/ より抜粋)
シュヴァルツヴァルトの風景↓
さてその味わいは・・・
多種多様な命のひしめきあい
鮮やかなパルスの混交
鬱蒼とした森の中
ベリーたちの色鮮やかな細密点描画
ローズヒップの暖かいランプ
針葉樹のアロマと燃えるようなスパイスたちの絡み合い
シトラスとハニーのたおやかなささやきも
92点
まさしくわたしがクラフトジンに目覚めたきっかけ
こんなに鮮やかで複雑な味わいを味わったことが無かった。ジョルジュ・スーラの点描画を連想させる風景
ほんの一口で口の中が出口の見えない森になり、森の生命たちの合奏がきこえてくる
クラフトジン業界に革命を起こした一作、飲まないと人生損してる。
5000円~6000円くらい、まあまあお高めだが、これでこの異界の森に何度もトリップできるんだから、
このくらい全然いいじゃないか
蘭子