![クライゲラヒ(クライゲラキ)13年のテイスティング・硫黄風味のビターな異端児シングルモルトがクセになる!](https://spirits.tokyo/wp-content/uploads/2020/07/51844B0B-7E0A-4C85-B518-42BC36BA3AD2-scaled.jpeg)
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クライゲラヒまたはクライゲラキ(1891年創業。クレイゲラヒとはゲール語で、「無情に突き出た大岩」の意味)蒸溜所は
スコットランドでももっとも多くの蒸留所が密集するスコッチウィスキー最大メッカとして知られるスペイ川流域のエリア、通称スペイサイド(全長172キロの川の流域に、なんと50以上もの蒸留所がある)にある蒸留所のひとつ。
山に囲まれ、豊富な緑や花々と良い水に恵まれたスペイサイドのウィスキーに共通する特徴は、比較的飲みやすい華やかな甘さであると言われている(もちろん製法によっては例外も豊富)。
↓スペイ川とその周辺( スペイサイド)にある主な蒸留所(クライゲラヒは丁度真ん中ほどに)
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製法の特徴
クライゲラヒでは、現在スコットランドでも12の蒸溜所しか採用していない伝統的な製法である「ワームタブ」と呼ばれる冷却装置を使用して、蒸溜後の蒸気を冷却し、ゆっくりと蒸気を再液化をさせている。
独特のらせん形状をしたのワームタブによる再液化工程がこのウィスキー独特の個性を生み出すのに大きく貢献しているようだ。
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また、ピートを炊く代わりに、オイルヒーティング(油を使って焚いた火によって乾燥させる)によって麦芽を乾燥させているのも特徴であり、
大きな特徴である硫黄香の強さは、ここから来ているもののようだ
クライゲラヒは、有名ブレンデッドウィスキー・デュワーズのキーモルトとしても知られている。
シングルモルトとしては、ちょっとマニアックな部類に入るかもしれない。
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蒸溜所内のポットスチル(https://www.whiskyandwisdom.com/craigellachie-the-whisky-and-the-distillery/より)
さて、そのお味は・・・・
苦くてしょっぱい硫黄泉の石壁
甘くて酸っぱいハチミツとリンゴ
白コショウをまぶしたバニラ
漬物樽のの中のブルーチーズ
89点
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硫黄っぽさが強い、との触れ込みだったが、確かにその通りで、
硫黄泉の石壁を舐めたような独特のビターさがある
どこかブルーチーズについたカビっぽい感じもほんのり
そしてその奥にハチミツリンゴっぽい甘さが
王道のフルーティなものが多いイメージのスペイサイドにあって
これは相当なクセものウィスキーである笑といえよう
こういうある意味「変な味」が何故かくせになってしまう不思議
驚くほど多様性に富んだスコッチの醍醐味の一つだと思う
チーズをはじめとする発酵食品などにも通じるところあるかもしれない
初心者には向かないかもしれないが、王道に飽きてしまった方、ちょっとクセ強めなのを飲んでみたい方には、オススメ!
蘭子