オールドプルトニー12年のテイスティング・北の港町の酒、海のフルーツ盛りバタークッキー

プルトニー蒸留所は1826年設立、長らくスコットランド本土の最北端にある蒸留所として有名だった(そのプルトニーという蒸留所の名前の由来は、その地の発展に尽力を尽くした国会議員のサー・ウィリアム・プルトニーに由来)

2011年、新しい蒸留所「ウルフバーン」がさらに北に建設され、「最北端」ではなくなってしまった蒸留所ではあるが、その個性的な存在感とマニア人気は揺らいでいない。

ウイックの街にあるオールドプルトニー蒸留所は、今からおよそ200年前の1826年創業。強い海風に晒されるこの街は、当時ニシン漁が大変盛んだったそうで、漁獲量は世界トップクラスと言われたほどである。

ニシン漁に従事する人々の間でアル中や犯罪が多発したことからウィックの町は1922年に独自の禁酒法を施行。1947年に解除されるまでプルトニーは休止に追い込まれる。

復活後の1950年代にはバランタイン社に売却され、以降、原酒はブレンデッドウイスキー「バランタイン」のブレンド原酒としても使われる(プルトニーは魔法の七柱の一つと呼ばれ、バランタイン17年を形成する重要なキーモルト)

1995年にインバーハウス社に買収され、今に至る。

ちなみに以前のボトルデザインにも反映されていた、まるで正月餅のようなポットスチルの形、またその上部のT字シェイプはユニークでプルトニーのトレードマークであると共に、独特のフレーバーをもたらすのに寄与している。

さて、そのあじわいは・・・

塩バターとハチミツを塗り込んだクッキー

あたたかいバニラクリームと

若いナシの果汁を洗う磯の香り

89点

生クリームを塗ったバタークッキーのような、オイリーでソルティでバタリーなまったり感。そしてプルトニーならではの、潮のかほりを纏ったフレッシュな洋梨の香りが、ポカリスエットのような不思議に清涼感ある余韻を残す。この独特なバランスはクセになる。
アイラモルトや各種アイランズモルトともまた異なる、陸と海を繋ぐユニークな北ハイランドの港町モルト。
甘いお菓子と共に素敵な癒しの時間をくれそうなウイスキーとしてオススメしたい。

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